小山明子さん(89歳)は、昭和を代表する女優として知られ、映画やテレビドラマで多くのファンに愛されてきました。しかし、彼女の人生は多くの試練に満ちています。2013年に夫である大島監督を亡くして以来、彼女はうつ病に苦しみ、介護生活を送る中で深い孤独と向き合ってきました。小山さんは、夫の介護を17年間続ける中で、自身も重度のうつ病を発症し、自殺願望を抱くほど追い込まれました。
ある日、リハビリ中に隣にいた年配の女性に夫の名前を知られず、ショックを受けた小山さんは、自分自身の存在を見つめ直すきっかけを得ました。その後、彼女は精神的な自立を決意し、地元でのスイミングを始めるなど、少しずつ自分の時間を持つことで心の余裕を取り戻していきました。しかし、その後も夫の健康状態は悪化し、彼女は再び厳しい介護生活を強いられました。
2013年に夫を亡くした小山さんは、ボランティア活動を始め、被災地支援に尽力しています。彼女は、3.11の震災後に福島県の中学校に本を寄付する活動や、被災した子どもたちに食事を提供するプロジェクトに参加しています。さらに、彼女は2021年にコロナ禍での収入減に悩み、二度目のうつ病を発症しましたが、息子たちの支えにより早期に回復を果たしました。
現在、小山さんは家族との絆を深めながら、トークショーや公演活動を通じて穏やかな日々を送っています。彼女は、夫の介護を通じて得た教訓を活かし、社会に還元する活動を続けています。89歳となった今も、自らの経験を語り、他者を支援する姿勢は多くの人々に感動を与えています。