俳優・コメディアンの財津一郎さんが、2023年10月に亡くなった。享年89歳。彼は「厳しい〜!」というギャグで一世を風靡し、竹本ピアノのCMやドラマで広く知られた存在であった。熊本県出身の財津さんは、若い頃から舞台やテレビで活躍し、特に吉本新喜劇の座長として名を馳せた。
近年、財津さんは妻のみさんの介護をしながら自身も病と闘っていた。2019年、みさんが自宅で転倒し骨折したことがきっかけで、老老介護が始まる。財津さんは、自らの健康状態が悪化しつつも、家事や介護を一手に引き受ける姿勢を貫いた。彼は「若い頃の恩返し」をしたいと語り、介護サービスの利用を躊躇していたという。
しかし、2020年には自身も入院を余儀なくされ、みさんは同年2月に89歳で他界。財津さんは「ママを失うことは覚悟していたが、やっぱり寂しい」と語り、妻への愛情を示した。晩年には、みさんのゴルフクラブを持ち歩き、彼女の存在を感じながらプレーを楽しんでいたという。
息子のいおさんは、現在日本テレビのプロデューサーとして活躍しており、財津さんの芸人魂を受け継いでいる。また、孫の裕太郎さんも俳優として注目されており、家族の中で芸能の遺伝子が受け継がれていることが伺える。
財津一郎さんは、昭和の時代から多くの人々に笑顔を届けてきた。彼の人生は、苦難の中でも常に明るさを失わず、愛妻家としても知られていた。彼の存在は、これからも多くの人々に愛され続けるだろう。